専門職的実施の国際フレームワーク(Internal Professional Practices Framework;IPPF)
一般に、フレームワークは、多くの知識とガイダンスがどのように整合するかについての構造的な設計図(structual blueprint)を提供する。本ブログの全体の構成も主にこのIPPFに基づいているが、本記事ではIPPFそのものについて取り扱う。
特に内部監査の専門的実施の国際フレームワーク(IPPF)の目的は以下の通りである。
IPPFの目的は、内部監査専門職のグローバルな基準設定機関としての内部監査人協会(IIA)の地位を強化しながら、IIAが権威あるガイダンスを時宜適切に作成しうるようにすることである。
IPPFは、将来の発展をも考慮に入れた現在の内部監査の実務を網羅することにより、全世界の内部監査実務者と利害関係者が高品質の内部監査の市場の拡大に対応できるように支援することを企図している。
内部監査は、法律と習慣を異にする世界中の様々な環境で、目的、規模、構造を異にする様々な組織体で実施されている。それゆえ、IPPFの実施は、内部監査が割り当てられた責任を遂行する環境により規制される。
IPPFに含まれる情報は、適用される法律や規制と対立するように解釈されるべきではない。IPPFに含まれる情報が法律や規制と対立するような状況が発生する状況が発生した場合は、内部監査人は、IIAや法律顧問と連絡を取り、更なるガイダンスを求めることが推奨される。
<IPPFの構成>
使命(ミッション) | 内部監査業務の目標を示す。 |
基本原則 | 内部監査の有効性を確保するための原則で、基準と倫理綱要を補完する。 |
定義 | 内部監査業務の本質を説明する。 |
倫理綱要 | 内部監査人の行為規範を示す。 |
属性基準 | 内部監査を実施する組織や個人の特性を定める。 |
実施基準 | 内部監査の業務の内容を明らかにし、質的な評価基準となる。 |
実務・実施ガイダンス | 内部監査人が「基準」を適用する補助となる。 |
補足的ガイダンス | 個別の内部監査業務を実施する際の詳細なガイダンスを提供する。 |
使命は必須のガイダンスとされ、基本原則、定義、倫理綱要、属性基準、実施基準は拘束的な性格を持つガイダンス(必須)とされ、内部監査業務を行う内部監査人や、CIA資格保有者は準拠しなければいけない。実務・実施ガイダンスと補足的ガイダンスは推奨されるガイダンスとされる。
以下の概念図が「内部監査の使命」「必須のガイダンス」「推奨されるガイダンス」から構成されるIPPFの枠組みです。
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