代金回収プロセス

業務監査

代金回収プロセスとは、顧客から売掛金の回収を行い、これに伴う会計処理を行うプロセスである。ここでは売掛金の回収が小切手を用いて郵送で行われると想定し、業務監査で確認すべき内部統制について記載する。

スポンサーリンク

代金回収プロセスの内部統制

小切手の受領はメール室で行う

顧客からの売掛金も回収が小切手の送付によって行われる場合、送金通知書が添付されている。送金通知書には、その小切手がどの請求書に対する支払であるかが、明示されており、売掛金の消込を適切に行うこと可能になる。顧客から送付されてきた小切手の開封は、2名の従業員によって開封される。お互いが牽制することにより横領などの不正を防ぐ意味がある。

小切手を受領すると、メール室は入金一覧表を毎日作成する。受領した小切手が、会社の銀行口座に預金される以外の用途で使用されるのを防ぐため、「入金専用」と裏書を行う。小切手は財務部門の現金出納係に送付され、顧客から送付されてきた送金通知書およびメール室が作成した入金一覧表は、複写され、経理部門の売掛金担当および財務部門へ送付される。

職務の分離

小切手の受領業務は資産の保管に該当する。したがって、職務の分離の観点により、承認、および記録の職務から分離した従業員が行うべきである。例えば、小規模な会社で財務部門が存在しないような場合、経理部門から独立した者として受付が小切手の受領を行う必要がある。

現金出納係が小切手の銀行への預け入れを行う

財務部門の現金出納係は小切手を受領すると預金口座入金票を作成し、毎日、銀行への入金を行う。小切手が現金出納係の手元に何日も置かれると盗難や横領のリスクが高まるため、毎日、入金手続きを行うことが大切である。

経理部門が入金の会計処理を行う

経理部門の売掛金担当は、送金通知書および入金一覧表に基づいて、売掛金補助元帳および入金台帳に記帳が行われる。さらに総勘定元帳担当により、総勘定元帳への連記が行われる。

経理部門が定期的に総勘定元帳と売掛金補助元帳の照合を行う

この内部統制により、転記ミスや転記漏れを発見することが出来る。

経理部門が月次報告書を顧客に送付する

経理部門では、月次報告書を顧客に送付し、相手方の買掛金と当社の売掛金との照合を行う。一致しない場合は、その原因を究明することにより誤謬や不正を発見する。さらに、月次報告書は送付前に小切手の受領と会計記録の職務から独立した者よりチェックを受ける。この内部統制により、小切手を横領した者による隠ぺいを防ぐことができる。

経理部門が銀行勘定調整を行う

経理部門の現金出納の業務から独立したものが、定期的に銀行口座の入金、支払および残高について、銀行記録と帳簿上の記録(預金勘定)の差異を調整する。

ロックボックスを利用する

ロックボックスとは銀行の私書箱のことであり、この私書箱宛に代金支払いのための小切手と送金通知書を直接顧客より送付してもらう。銀行はその後、小切手を会社の口座に入金し、送金通知書を会社に送付する。このシステムを使うと従業員が直接現金に触れることがないため、不正のリスクを低減することができる。

現金を扱う従業員には保険を掛ける

もし、不正が生じ、会社が損害を被った場合、その損失が補填される保険に加入することで不正を抑止する効果を期待することが出来る。たとえば、従業員が厳禁横領を行い隠蔽を図ろうとしたとしても、不正が発覚すると保険会社は調査、追及を徹底的に行うため、保険が掛けられているという意識があることで、従業員が不正を行うリスクが低減される。

コメント