外部専門家の支援または補完(1210)

基準

内部監査人が内部監査業務を実施するために必要な専門的能力にかけている場合、内部監査部門長は内部監査部門を支援する外部サービスの提供者等を活用する。

「基準」1210.A1:外部専門家の利用

個々のアシュアランス業務のすべてまたはその一部を遂行するために必要な「知識、技能およびその他の能力」のいずれかを部門の内部監査人が欠く場合には、内部監査部門長は、適切な助言と支援を部門外から得なければならない。

「基準」1210.A2:外部専門家の利用

内部監査人は、不正のリスクを評価し組織体がそのリスクを管理する手段を評価するための、十分な知識を有していなければならないが、不正の発見と調査に第一義的な責任を負う者と同等の専門知識を持つことは期待されていない。

「基準」1210.A3:外部専門家の利用

内部監査人は、与えられた業務(work)を遂行するために、重要な情報技術(IT)のリスクおよびコントロール手段についての十分な知識と、活用可能なテクノロジー・ベースの監査技法を身につけていなければならない。しかしながら、すべての内部監査人が、情報技術(IT)の監査業務に第一義的な責任を負う内部監査人と同等の専門知識を持つことは期待されていない。

「基準」1210.C1:外部専門家の利用

個々のコンサルティング業務のすべてもしくはその一部を遂行するために必要な「知識、技能およびその他の能力」のいずれかを部門の内部監査人が欠く場合には、内部監査部門長は、その個々の業務を辞退するか、または適切な助言と支援を得なければならない。

  1. 内部監査部門の構成員それぞれが、全ての専門分野の能力を有している必要はない。内部監査部門は、専門分野の能力を有する外部サービス・プロバイダや内部の資源を活用することができる。専門分野とは、当該の内部監査部門の責任うぃ満たすために必要な、会計、監査、経済、財務、統計、情報技術、エンジニアリング、税務、法律、環境問題、及びそのほかの分野を指している。
  2. 外部サービス・プロバイダとは個人または法人であり、組織体から独立し、特定の専門分野における特別な知識、技能及び経験を指す。
  3. 外部サービス・プロバイダは取締役会、経営幹部、または内部監査部門長から業務を委託し、以下のような専門家を指す。
    • 保険数理士
    • 不正検査士
    • 弁護士
    • 情報技術専門家
    • 環境専門家
  4. 内部監査部門は、特に以下の業務に関連して、外部サービス・プロバイダを活用する場合がある。
    • 個々のアシュアランス業務の作業スケジュールに沿った業務目標の達成
    • 情報技術、統計、税務または翻訳などの専門的な技能や知識が要求される監査の活動
    • 土地および建物、美術品、高価な宝石、投資及び複雑な金融商品などの資産評価
    • 鉱物及び原油資源など、特定の資産の埋蔵量または物質の状態の判定     
    • 進行中の諸契約における、作業完了及び未完了分の測定
    • 不正調査及び、セキュリティ調査
    • 従業員給付債務の保険数理計算などの特殊な方法による金額の算定
    • 法律、技術及び行政規則の要件解釈
    • 基準」に基づいた、内部監査部門の品質のアシュアランスと改善のプログラムの評価
    • 合併・買収
    • リスク・マネジメント及びそのほかの事項についてのコンサルティング
  5. 内部監査部門長は、外部サービス・プロバイダが個々のアシュアランスの業務を実施するために必要な「知識・技能・そのほかの能力」を有しているかの否かを、以下の点を考慮して判断する
    • 外部サービス・プロバイダが関連する専門分野において、専門的認証、免許、またはその他の認定を有していること。
    • 外部サービス・プロバイダが適切な専門職組織の会員であり、かつその組織の倫理綱要を遵守していること
    • 外部サービス・プロバイダの評判。サービス・プロバイダの業務をよく知る第三者に連絡を取り、評判を聴取することもある。
    • 業務委託を検討している分野おける、外部サービス・プロバイダの経験
    • 特定の個々の業務に関連する専門分野において、外部サービス・プロバイダが受けた教育及び訓練の程度。
    • 組織体が活動を行なっている業界において、外部サービス・プロバイダが有する知識及び経緯。
  6. 内部監査部門長が外部サービス・プロバイダの業務を利用し、その業務に依拠する場合、内部監査部門長は実施を依頼する外部サービス・プロバイダの、当該業務に関連する能力、独立性及び客観性を評価すべきである。
    • 経営幹部または取締役会が外部サービス・プロバイダを選任し、内部監査部門長がその業務を利用しその業務に依拠しようとする場合においても、能力、独立性、客観性は評価される必要がある。
    • その他のものが外部のサービス・プロバイダの選任を行い、内部監査部門長がその業務を利用し、その業務に依拠すべきでないと判断した場合、その判断を経営幹部または取締役会に状況に応じて報告すべきである。
  7. 内部監査部門長は、ここにお業務の機関を通じ、確実に独立性と客観性が維持されるよう、外部サービス・プロバイダと組織体及び内部監査部門との関係を評価する必要がある。評価を行う場合、外部サービス・プロバイダが個々の業務を実施または報告する際に、構成不変な判断及び意見の形成を妨げる、財務上、組織上、または個人的な関係が存在しないことを、内部監査部門長は検証する必要がある。
  8. 外部サービス・プロバイダの独立性及び客観性について内部監査部門長は以下を考慮して評価すべきである。
    • 外部サービス・プロバイダが有するかもしれない当該組織体との財務上の利害関係
    • 外部サービス・プロバイダが有するかもしれない取締役会、経営幹部または組織体のその他の人物との、個人的な関係または専門職としての関係
    • 外部サービス・プロバイダが過去に有していたかもしれない、当該組織体との関係またはレビュー対象の活動との関係
    • 外部サービス・プロバイダが当該組織体のために現在実施しているかもしれない他のサービス業務の範囲
    • 外部サービス・プロバイダが受領しているかもしれない、報酬またはその他のインセンティブ
  9. 外部サービス・プロバイダが組織体の外部監査人でもあり、かつその個々の業務の内容が拡張された外部監査業務である場合、内部監査部門長は実施される業務が外部監査人の独立性を侵害しないことを確認する必要がある。拡張された外部監査業務とは、外部監査人により、一般に認められた監査基準の要件を超えて行われる業務のことである。組織体の外部監査人が、組織体の経営幹部、経営管理者の一因または従業員として活動しているまたは活動しているように見える場合、外部監査人の独立性は侵害されている。さらに外部監査人が税務及びコンサルティングなどの他の業務を組織体に提供することもある。外部サービス・プロバイダの独立性は、組織体に提供される業務全体と関連づけて評価される必要がある。
  10. 内部監査部門長は、外部サービス・プロバイダの業務範囲が内部監査部門の目的達成のために妥当であることを確認するために外部サービス・プロバイダの業務範囲に関する十分な情報を入手する。業務範囲やその他の事項は、エンゲージメント・レターまたは契約書といった形で文書化することが望ましい。これを成し遂げるため、内部監査部門長は外部サービス・プロバイダと以下のことをレビューする。
    • 成果物とタイム・フレームを含んだ業務の目標及び範囲
    • 個々の業務の結果の伝達に含めるべき特定事項
    • 関連する記録・人・物的な財産の活用
    • 採用すべき前提及び手続きに関する情報
    • 該当する場合、監査調書の所有権及び保管
    • 個々の業務の実施過程で入手した情報の秘密保持及び利用制限
    • 状況に応じて、IIAの国際基準及び内部監査部門の実務慣行への適合
  11. 外部サービス・プロバイダが実施した業務のレビューを行う際、内部監査部門長は実施された業務の妥当性を評価するが、この評価には到達した結論、及び逸脱またはその他の異常事態の解決の合理的根拠となる十分な情報が含まれている
  12. 内部監査部門長は、外部サービス・プロバイダを利用した個々の業務の監査報告書を作成する際、適切と認められる場合には、提供された業務に言及しても良い。監査報告書で言及することは、外部サービス・プロバイダに通知する必要があり、必要に応じて個々の業務の伝達に置いてそのような言及が行われる前に同意を得ておくべきである。

<外部のサービス・プロバイダの能力、独立性、及び客観性の評価のまとめ>

能力の評価に際しての考慮事項独立性及び客観性の評価に際しての考慮事項
・関連する専門分野における専門的認証や免許
・適切な専門職組織の会員であること
・評判
・業務委託を検討している分野における経験
・専門分野における教育及び訓練の程度
・業界に関する知識及び経験
・当該組織体との財務上の利害関係
・取締役会、経営幹部または組織体内のその他の人物との、個人的または専門職としての関係
・過去に有していたかもしれない、当該組織体との関係またはレビュー対象のじゃ集うとの関係
・当該組織体のために現在実施しているかもしれない他のサービス業務の範囲
・受領しているかもしれない報酬またはその他のインセンティブ

コメント