熟達した専門的能力(1210)

基準

内部監査人は、専門的能力を持って内部監査を実施しなければならないが、各内部監査人に求められる専門的能力のレベルは、専門的能力の種類、及び関わる業務によって異なる。

「基準」1210:熟達した専門的能力

内部監査人は、自らの職責を果たすために必要な「知識、技能およびその他の能力」を備えていなければならない。内部監査部門は、部門の責任を果たすために必要な「知識、技能およびその他の能力」を、部門総体として備えているか、または備えるようにしなければならない。

解釈指針:熟達した専門的能力(1210)

熟達した専門的能力とは、内部監査人が自らの専門職としての責任を有効に遂行するために求められる「知識、技能およびその他の能力」のことをいう集合的な言葉である。適切な助言や改善のための提言を行うために必要な熟達した専門的能力には、現在の活動、トレンドおよび新しい課題に注意を払うことも含まれる。内部監査人は、適切な専門職資格や認定を得ることにより、熟達した専門的能力を証明することが奨励される。専門職資格や認定とは、例えば、内部監査人協会(IIA)やその他の適切な専門職団体が提供する、公認内部監査人(CIA)の称号やその他の称号を指している。

  1. 「基準」で言及している「知識、技能及びその他の能力」には以下が含まれる。
    • 個々の業務を遂行する際に、内部監査の基準、手続き及び技術を適用する熟達した専門的能力。熟達した専門的能力とは、実際に直面する可能性のある状況において、追加的な技術的調査や支援に頼ることなく、知識を活用しその状況に対処できる能力を意味する。
    • 主として財務記録及び報告に関わる内部監査人については、会計原則及び手続きに関する熟達した専門的能力
    • 不正の兆候を識別する知識
    • 重要な情報技術のリスク及びコントロール手段の十分な知識と、活用可能なテクノロジー・ベースの監査技法
    • 適切な業務慣行から乖離が発生した場合、その乖離の重要性を認識し、評価するための経営理念の理解。経営理念を理解することは、現実に遭遇する可能性のある状況に対して広範な知識を適用し、重要な乖離を発見し、合理的な解決に達するために必要な調査活動を完遂できる能力を意味する。
    • 会計、経済、商法、税務、財務、軽量的手法、情報技術、リスク・マネジメント及び不正などの、ビジネスの基礎についての正確な理解。正確な理解とは、すでに発生した問題または潜在的な問題を識別し、実施すべき追加的調査や必要とされる支援を識別する能力を意味する。
    • 対人スキル、人間関係を理解するスキル、及び監査対象部門との良好な関係を維持するスキル。
    • 個々の業務の目標、評価、結論、及び改善のための提言などをマイ角かつ効果的に伝達する、高騰及び文書によるコミュニケーションのスキル。
  2. 内部監査部門長はそれぞれの内部監査人ごとの職位に要求される教育と経験に関する適切な基準を設ける必要がある。採用にあたり、CAEは各職位の業務の範囲と責任のレベルに十分な考慮を払い、採用する内部監査人の能力及び専門性について合理的なアシュアランスを確保する必要がある。
  3. 内部監査部門は部門全体として、専門職としての行未実施に不可欠な「知識・技能・そのほかの能力」を備えることが必要である。内部監査部門の「知識・技能・そのほかの能力」を毎年分析することは、継続的な専門的能力の向上、採用、またはコ・ソーシングにより取り組むことのできる改善対象領域を識別することに役立つ。
  4. 継続的な専門的能力の育成は、内部監査人が専門的能力を維持する上で重要である。
  5. 内部監査部門長は、内部監査部門が十分に能力を有していない領域について、内部監査部門外の専門家から支援または補完を受けることがある。
求められる能力のレベル「基準」で引用される「知識及び性能」
熟達した専門的能力内部監査の基準、手続き、及び技術を適用すること
熟達した専門的能力会計原則及び手続き
関連する知識不正の兆候
十分な知識主要な情報技術のリスク、及びコントロール手段
理解経営理念
正確な理解会計、経済、商法、税務、財務、計量的手法、情報技術、
リスクマネジメント及び不正など、ビジネスの基礎

内部監査部門が要求された職務を遂行するスキルを書いている場合、内部監査部門長には以下の選択肢が利用可能である。

  • 職務を外部に委託する可能性を検討する
  • 職務遂行をサポートする要因として外部のコンサルタントを監査スタッフに加える
  • もし時間及び資金に余裕があれば、職務を遂行するための適切な専門的能力を内部開発する必要がある。

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